はじめに
我が国では、少子高齢化が急速に進展しており、労働力が減少することが懸念されています。そのような社会現象の中で、一人一人の女性が、希望に応じて、個性と能力を十分に発揮できる基盤を作ることは、安心して妊娠・出産・子育て等ができる社会環境の整備につながり、生産性向上へつながると期待されています。
ライフステージに応じて活躍できる勤務環境作りに努めています
医療界においても、近年、医学部生の約3分の1が女性となっており、女性医師のキャリア支援が重要な課題となっています。臨床研修医に対するアンケートでは、子育てしながら勤務を続ける上で必要な条件として、「職場の理解・雰囲気」が男女ともに第一位に上がっています。
当医局では、個々のライフステージに応じた柔軟な勤務条件を提供するように努めております。そして、子育て一段落の医師、バリバリキャリア志向の医師、子育て真最中の医師、お相手募集中の医師、などなど多様な医師が共存し合って楽しく仕事をしています。男女ともに働きやすい環境で、キャリアを形成できること間違いなしです!!
女性医局員に対するキャリア支援
出産・育児、夫の転勤など社会的事情にも配慮し、当事者と相談の上で多様な勤務形態を提案します
- 1:大学病院
- 大学には様々な支援システムがあり、学位取得、認定医や専門医取得へのキャリアも継続可能です。
- 2:関連病院
- 関連病院で、常勤医として勤務を継続することも可能です。
各関連病院の特徴や支援を生かし、ライフステージに合わせて柔軟な対応が可能です。 - 3:離職およびその後の復帰支援
- やむを得ず、退職・休職される場合にも、その後、段階を踏んで復帰できるよう支援します。
女性医師からのアドバイス
自分のライフスタイルに応じた働き方を提案してくれた環境に感謝
泉川 美晴(膠原病リウマチ内科)
卒業して14年目、3児の子育中の医師です。
私が、これまでのキャリアのなかで最も悩み戸惑った時期は、長男の出産後に職場復帰して間もなくのことでした。医師としては3年目で、まだまだこれからスキルアップを目指していきたい頃でもありました。慣れない母親業と修行中の医師業と(そして若干の妻業)の両立は、想像していた以上に大変なことでした。しかも当時の私は、全ての役割をほぼ完璧にこなさないといけない、という呪縛にとりつかれていたように思います。ALL or NONEの思考で、両立が困難ならば医師業をお休みさせて頂いて、母親業に専念しようと考えました。医局に相談したところ、私の希望を否定せずに受け入れてくれ、本当に有り難く感じました。しかし、医局への更なる感謝は、この後の対応だったのです。休職中でも常に声をかけてくれ、その都度で自分のライフスタイルに応じた働き方を提案してくれました。家庭の状況に応じて、仕事のペース配分を調整させてもらったり、その時の自分だからこそ出来る仕事を与えてもらったりしながら、専門医や指導医も取得し研究にも勤しみました。そう、ALL or NONEでなくて良かったのです!!それを、医局の先生方が、見守りながら、支えてくれながら気づかせてくれたのです。今も、たくさんの人に支えてもらいながら自己研鑽に努めております。
若い医師の皆さん、これから様々な迷いや悩みが出てくると思いますが、そんな時は、どうか、逆境を転じて、前進の一歩に加えて進んで行って下さいね。私も、恩返しのつもりでこれからも若い先生方のキャリア形成を応援していきたいと思っています。