「全身が診られる医者になりたい」そういう若い人が増えています。一方で、「専門家としての道を究めたい」そう思う人も数多くいます。私たち血液・免疫・呼吸器内科はその両方を満たします。そして、全身に目配りしながら自分の専門領域にフォーカスを絞ってゆく一流の内科医になるサポートをします。さらに、サイエンスに基づいた医療を実践できるようになります。私たちは、このようなマルチな希望を満たす専門家集団です。
当科の特色
血液・免疫・呼吸器内科の初期研修では、3つの科のいずれかに属して研修します。したがって、同時に担当する患者さんは1つの領域だけですが、もちろん時期を違えて複数の領域を選択すれば、それらの科の患者さんを担当できます。このように研修は分けて行いますが、カンファレンスではすべての科の入院患者さんを紹介します。そこで繰り広げられるスタッフのディスカッションを聞くことにより、幅広い領域の知識を得ることができます。
医局内では皆自由に発言できる雰囲気です。余計なプレッシャーがない分、各人がのびのびと力を発揮できます。一方で、「ゆるい」という雰囲気はありません。言われなくても自主的に仕事をする能動的な人が多いので、やるべきことをやらないと目立ちます。それに対してはきっちりと指摘が飛びます。このような適度の緊張感があるため、皆仕事にやりがいを感じながら着実に成長していきます。
また、研究や教育が当然の仕事である大学病院で研修すると、一歩踏み込んだサイエンティフィックな思考に日常的に触れたり、じっくりと腰を落ち着けた指導を受けたりすることができます。こうした理論と実際のバランスの取れた研修を最初に受けることは、あとあと伸びる素地を身につけるうえで大きく役に立ちます。
当医局の研修の特徴
Point1大学病院ならではの一歩突っ込んだ思考過程を大切にします
初期研修でだいじなことは、実地で多くの経験をして、基本的な手技や作法を体で覚えることです。しかし、それに頭を使うことが伴わないといけません。当科では、日常のディスカッション、回診、カンファレンスで、「なぜここでこうするのか」「この症状の裏にはどのような病態が隠れているのか」といった論理的・科学的な考え方を重視し、応用が利く思考力が身につくよう心がけています。
Point2面倒見のよさはピカイチです
当科のスタッフにはすさまじく教え好きな人が数多くいます。「そこまでするか…」というほど教えます。そのようなスタッフが誰か常にそばにいるので、研修医がわけのわからないまま放置されるということがありません。また、スタッフ自身が一生懸命考え勉強するさまをそばで見て、研修医も刺激を受けます。このように皆が高め合う雰囲気が私たちにはあります。
Point3学会プレゼンテーションの本格的な指導が受けられます
スタッフが科学的な考え方を重視し、教え好きとなると、学会発表の指導は自然と熱が入ります。新人の登竜門といえる学会地方会で研修医に症例報告を発表してもらいますが、そのときのスライド作り、発表原稿の準備で若手スタッフがマンツーマンで指導し、さらに科全体のリハーサルでベテランスタッフの円熟味のある指導が入ります。見やすいスライドの作り方、わかりやすくインパクトのある発表のしかたをじっくり教わることにより、研修医はプレゼンテーションの技法を身につけます。このような洗礼を受けた当科の研修医の発表は、研修医奨励賞の常連です。プレゼン能力の向上は、皆さんの医師人生で大きな武器になるでしょう。
Point4多様な希望を叶えられるようキャリアアップをサポートします
臨床医としてのスキルアップに専心する、研究の世界に足を踏み入れる、国内の他施設で武者修行したい、留学したい、など、皆いろいろな希望を持っていると思います。当科では、基本的には卒後3年目で入局してもらい、その後香川大学やその関連施設のみならず、皆さんの希望を叶えられるよう国内外のさまざまな施設に紹介し、夢を叶えるお手伝いをします。また、2015年に初期研修を始める人から対象になる新しい内科専門医制度にも、香川大学では関連施設と協力して対応できるよう万全の準備を進めています。
キャリア形成に対するバックアップ
内科に進む多くの皆さんは、まず基本領域として内科専門医を取得し、その後サブスペシャリティー領域として内科のいずれかの分野の専門医取得を目指すことと思います。2015年(平成27年)に初期研修を始める人から対象になる新専門医制度では、土台になる内科専門医の取得に5年を要し、またその間に経験すべき疾患の多さや外来診療の経験など、これまでの制度に比べてハードルが高くなっています。しかし、当科を含めた香川大学では新制度にしっかり対応しますので、大丈夫です。
ただ、専門医の取得は通過点に過ぎません。臨床医としての年数は40年あるいはそれ以上と長く続きます。内科臨床をより高い地点から眺める能力を養うために、研究に打ち込む期間を若いうちに設けることを、私たちは勧めています。このためには大学院に進むのが一般的な方法です。当科では、臨床に立脚し、そして臨床に役立つ研究をスタッフが指導し、必要や希望に応じて学内外の基礎医学教室とも連携します。さらに意欲のある人には海外留学を勧めます。日本と異なる環境で生活し研究することは、研究環境や文化の違いを実体験できる、人生において得がたい経験となり、あなたのキャリアパスも広がります。
また、国内他病院での臨床の武者修行を希望すれば、それが叶えられるよう積極的に支援します。