患者様が人生のパートナーとして選ぶことができるような診療
田舎でもグローバルと遜色ない診療レベルと高度先進医療
診療内容
『地方でも中央や欧米と同様の質の高い医療を享受することができる』をポリシーとして、かつ患者さんの人生のパートナーとしての立場を十分に理解し、患者様と歩んでいく姿勢を大切に診療に臨んでいます。
膠原病の診断
膠原病は関節・皮膚・筋肉・涙腺・唾液腺などの体表面に近い臓器以外にも種々の重要臓器に炎症を起こすことがあり、患者様によっては急速に臓器障害が進行し生命に危険が及ぶこともしばしば起こります。そのため、私たちは早期に診断を行い臓器障害の程度を評価するとともに、適切な治療を行っていくことが大切であると考えています。一方で抗核抗体またはリウマチ因子といった検査異常のみで紹介来院される患者様も多く見られ、病気に対する不安に対して丁寧に説明を行うように心がけています。
膠原病・リウマチ性疾患の診断においては、問診および身体所見を大切にしつつ、炎症病理を証明し臓器障害を的確に評価するため、腎臓・肝臓・肺などの臓器に対して積極的に生検を行っています。加えて、ここ数年来、固形癌の診断および評価を目的としたFDG-PET/CT検査が汎用されるようになりましたが、このFDG-PET/CTは炎症の検出にも非常に有用であることが明らかになってきました。当科においては、放射線医学教室との共同研究で、大動脈炎症候群、成人発症スティル病、不明熱、血清反応陰性脊椎関節炎などの炎症性疾患に対して診断目的に積極的にFDG-PET/CTを施行し早期の診断に役立てるとともに、治療の評価への応用にも着手しています。さらにこれらの最新の知見を学会にて積極的に報告も行うとともに、患者様に還元できるよう努めています。
膠原病の治療
近年、関節リウマチをはじめ乾癬性関節炎や強直性脊椎炎などを対象に生物学的製剤が使用されるようになりました。これらの薬剤は、疾患の治癒をめざすことができる“夢の薬”として期待されています。当科では、新規の生物学的製剤および他の疾患に対する適応追加の治験に積極的に参加することで、治療抵抗例および難治性の病態に苦しむ患者様に有効な治療を受ける機会を提供しています。今までに、関節リウマチに対する新規の抗TNF-α製剤、乾癬性関節炎・強直性脊椎炎に対する抗TNF-α製剤、全身性エリテマトーデスに対する抗CD20抗体、難治性筋炎に対する大量ガンマグロブリン療法などの治験を行ってきました。現在も、「日本における分子標的治療薬使用関節リウマチ患者に関するアウトカム研究」などに参加しています。
特殊な膠原病・リウマチ分野の診療
現在の診療の特色を踏まえながら先進の医療を提供する事を常に意識しています。また、希少疾患に対する診断・治療を行っています。さらに膠原病・リウマチ性疾患の特性上、数々の合併症を有するため、それぞれの専門領域の診療科と密な連携をとり診療を行っています。
関節超音波
関節リウマチの診断モダリティーとして各診療ブースに一台ずつ関節超音波を常備しています。関節リウマチをより早く正確に診断できる診療体制を整えています。
自己炎症性症候群
希少疾患である自己炎症性症候群の遺伝子診断を京都大学・久留米大学との共同研究・診療を介して診断・治療を行っています。当科は四国地区の自己炎症性疾患の拠点施設に内科で唯一選定されています。
膠原病合併妊娠
膠原病・リウマチ性疾患は妊娠可能な女性に好発するため、女性にとってのライフイベントである妊娠出産は重要な問題です。当科では周産期・女性診療科や小児科(NICU)との密な連携により中四国では最大の膠原病合併妊娠症例を経験し、質の高い妊娠・出産管理を行い、患者さんの母になる権利を最大限に応援しています。
開発治験診療・医師主導型臨床研究
医師主導型臨床試験や企業治験が多く関節リウマチのみならず強皮症、全身性エリテマトーデス、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、血管炎症候群、筋炎など広範囲の新規治療開発治験を受託しています。ここ6年で20件以上を行っており週に一枠の治験外来枠を頂いています。本邦全体の患者さんへの新たな治療開発の貢献に加えて地域の患者様のメリットの一つにもなっています。
対象症候
- 全身症状(発熱、体重減少、食欲低下など)
- 関節症状(関節痛、関節腫脹)
- 筋症状(筋把握痛、筋力低下)
- 皮膚症状(皮疹、紅斑、紫斑など)
- 呼吸器症状(咳嗽、息切れなど)
- 消化器症状(口腔内乾燥、口内炎、消化管潰瘍など)
- 腎症状(蛋白尿、血尿)
- 神経症状(しびれなど)
- 循環器症状(血圧の左右差、血管痛など)
- 眼症状(強膜炎、ぶどう膜炎など)
- 耳鼻科領域症状(鞍鼻、唾液腺腫脹など)
対応疾患
- 関節リウマチ
- 全身性エリテマトーデス
- 強皮症
- 多発性筋炎・皮膚筋炎
- 血管炎症候群(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、結節性多発動脈炎、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症など)
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- 抗リン脂質抗体症候群
- 成人発症Still病
- ベーチェット病
- 再発性多発軟骨炎
- 脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節症など)
- サルコイドーシス
- リウマチ性多発筋痛症、RS3PE症候群
- 線維筋痛症
- IgG4関連疾患
- 自己炎症性症候群(家族性地中海熱、クリオピリン関連周期熱症候群など)
実績紹介
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医師の紹介
職名 | 氏名 |
---|---|
准教授 膠原病・リウマチ内科診療科長 | 土橋 浩章(医局長・人事) |
助教 膠原病・リウマチ内科副診療科長 | 中島 崇作(病棟医長) |
助教 | 島田 裕美 |
病院助教 | 宮城 太一 |
病院助教 | 杉原 幸一 |
医員 | 牛尾 友亮 |
医員 | 水﨑 旬音 |
医員 | 三野 利奈 |
医員 | 中條 加奈子 |
医員 | 眞鍋 直人 |
総合内科専門医 | 3名 |
リウマチ専門医 | 6名 |
リウマチ指導医 | 3名 |