血液内科
こうした治療のうち、最も専門的な能力を必要とするのは、ほかの人から造血細胞を移植する同種造血幹細胞移植です。この治療は、ドナーの選択に始まり、移植に先立つ強力な治療、移植後の最大の合併症であるGVHD(移植片対宿主病)、そしてさまざまな感染症を克服して初めて完結します。そのためには、クリーンルームを含むさまざまな感染症対策、免疫抑制剤、医師・看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士などからなるチーム医療が必要です。私たち香川大学血液内科は、前身である第一内科において1988年に四国で初めて同種骨髄移植を行って以来、香川県内の移植医療をリードしてきました。また、香川県では、いろいろな病院で血液疾患の診療に携わる職種の人が集まって定期的に研究会を開き、交流を深めており、香川大学血液内科はその中心メンバーです。このような活動を行う都道府県は珍しく、この医療スタッフの団結の強さによって、香川県の血液疾患診療の連携がスムーズに行われています。
研究面では、造血器腫瘍の発がんメカニズムを分子生物学的手法で解明する研究とともに、近未来に大きく発展することが期待される免疫療法の研究を中心に据えて行っています。免疫療法はあらゆるがんのこれからの治療として期待が集まっていますが、造血器腫瘍には取り分けよく効くと考えられます。私たちはこのような新たな治療法を開発し、血液疾患治療の発展に貢献していきます。
また、血液内科のスタッフは非常に教育熱心、勉強熱心で、当科で実習や研修を行った若い人は、一様に当科スタッフの面倒見の良さに感嘆します。
以上のような臨床・研究・教育におけるすべての努力が、最終的に、血液の病気の患者さんに笑顔を届けることにつながっていきます。この思いを胸に、血液内科のスタッフは一致団結して日々励んでいます。多くの若い人が集い、血液疾患の患者さんを助ける喜びを私たちと分かち合うことを願っています。
膠原病・リウマチ内科
研究・教育・診療のいずれの領域においても個々のスタッフがidentityを確立することが出来るよう心がけています。それぞれの詳しい内容は是非別項をごらん頂きたいと思いますが、地方大学の拠点施設として中央の専門施設に勝るとも劣らない診療体制を自負しています。特に診療・教育においては『田舎の膠原病・リウマチ専門医養成所』と称しグローバルに通用する膠原病・リウマチ専門医の育成に力を注いでいます。膠原病・リウマチ診療のフィールドでは正確な全身の身体所見を取得する能力が必須であり且つ臨床検査所見の判断能力、患者様とのコミュニケーション能力などが要求されます。『1症例1症例を大切に』をモットーに患者様の人生のパートナーになれる専門医を養成するべく学生教育から初期研修・専門医教育まで行っています。
その他の当グループの特徴としては(1)開発治験・医師主導型臨床研究が多い。(2)県内および中四国さらには国内でのオピニオンリーダーである。(3)学内外のネットワークが構築されている。(4)国内外で最先端診療・特殊医療を導入しているなどがあります。
我々の仕事の目的は社会貢献にあります。医師としての我々の仕事はその社会貢献に直結できる恵まれた仕事です。社会貢献を通じてそれぞれが人生の足跡を残せるように頑張っています。医師としての仕事で享受できる歓びや楽しさは沢山あります。でも医師の仕事の9割はしんどいことばかりです。我々は残りの1割の歓びや楽しさがあるから頑張れるのだと思っています。是非我々と一緒に究極の歓びを共感し、しっかりと足跡を残せるような仕事をしませんか?お待ちしています。
呼吸器内科
一方、香川県における呼吸器内科医は、患者数に比してまだまだ少ないのが現状です。呼吸器グループとしては、香川県における呼吸器疾患を有する患者さんが安心して医療を受けられるよう常に最先端の知識や診療技術を習得することを心掛けております。そして将来の香川県の医療を担う呼吸器内科医の育成は最重要課題として位置付け、呼吸器内科医を志す医師を増やすべく努力しています。若い先生方には是非当科で研修を受けていただき、我々と一緒に仕事をする中で医師としての喜びと呼吸器病学の奥深さを感じて頂ければと思っています。
大学および大学病院の使命として、一般的に教育、診療、研究の3つが掲げられています。いずれも重要で、診療をしない病院はありえませんし、教育なしに新たな医師は生まれず、研究なしでは医学の進歩はありません。しかしながら、この3つはそれぞれ独立しているわけではなく互いに強く関連しており、そして根幹となるものは診療であると考えています。そのためには専門性の高い診療をしっかりと行うことが重要です。診療経験が学生や研修医への教育に活かされ、診療上の疑問が研究の芽となります。さらにその疑問を解決することがより良い診療につながることを数多く体験してきました。患者さんには臨床研究という形でご協力をお願いすることがありますが、診療に支障を来すような臨床研究や倫理的に問題のある臨床研究は決して行いませんのでご安心ください。
2020年4月現在、新型コロナウイルス感染の拡大にて、全世界において未曾有の局面を迎えております。香川大学および大学病院においても3つの使命全てにおいて弊害が出ており、平時の有難さをつくづく感じています。呼吸器グループとしては、県内各施設とも一致団結し、我々ができることを精一杯行い、この難局を乗り越えたいと思っております。