膠原病・リウマチ内科 研修プログラム

我々は研修医・学生とともに学びます

t_immunology001

教育方針

四国の田舎で、中央に負けない、世界に負けない膠原病・リウマチ診療教育を目指しています。患者さんと学生と研修医とともに学ぶ事を常に意識しています。その為に屋根瓦式教育体制を重要視しています。患者さんに人生のパートナーとして選ばれることができるような医療人となる為に学んでいます。

それぞれの場面での-学ぶ-について簡単にまとめてみました。

(1) 5年生の臨床実習

5年生の臨床実習(ポリクリ)では、少しでも多くの症例を経験していただくため、bedside teachingを心がけています。診察の基本である問診の取り方や全身性エリテマトーデス・皮膚筋炎の皮膚所見、間質性肺炎の聴診所見など、実際に入院患者さんにご協力いただき、「見て」、「聞いて」、「触れて」学ぶことを心がけています。問診に関しては、患者様から実際に問診を取り、主治医がその内容を確認します。どのくらい必要な情報が患者様から聞き出せているかを確認し、不足している点があれば指導しています。異常所見の取り方は、その都度わからなかった所見があれば、一緒にbedsideにて指導する体制を整えています。教科書でしかみることができない自己抗体を、実際に蛍光顕微鏡を用いて観察する実習も行っています。

t_immunology002t_immunology003

(2) 6年生の臨床実習

6年生の臨床実習(スーパーポリクリ)では、『内科医から専門医へ』をテーマに頭の先から足の先までの身体診察の重要性とコミュニケーション能力の獲得を目標とします。三週間という限られた時間のなかで、ポリクリ実習よりもより濃密な問診や診察を行います。診察で得られた情報を主治医の先生とディスカッションし、診断や問題点など「自ら考える力」を養うトレーニングを行います。さらに、病棟実習だけではなく、外来実習として実際の外来診療を見学し、より多くの異常所見を経験できる体制を整えています。また、国家試験対策として希望者には国家試験問題集を実習終了後に少人数で解説しています。

スーパーポリクリ実習学生数
2013年 2014年 2015年
8人 (2人×4クール) 8人 (2人×4クール) 8人 (2人×4クール)

t_immunology004

(3) 初期研修医教育

研修医教育では、問診や診察技術の向上に加え、血液検査・尿検査の異常値の解釈の仕方、画像所見の読影法など、全身を診察し評価できる医師になれるよう指導を行っています。専門医である前に内科医師として必要なスキルと横断的な知識の獲得、加えて表現力の向上を重視し研修医を指導しています。入院診療での指導もマンツーマン体制に屋根瓦式を加味した指導体制を構築しています。さらに関節所見の取り方や関節超音波、各種生検手技など専門診療を通じて、膠原病診療の魅力を感じることができます。年々進歩する膠原病分野の治療に関して、最新の治療を含め患者様に最適な治療法を指導医とディスカッションを行い、患者様に説明し治療を行っていく体制を整えています。また、研修医で経験した症例は日本内科学会や日本リウマチ学会などの学術集会で発表することを目標とします。これまでに過去三年間で三名の研修医の先生が研修医奨励賞を受賞しました。

    発表者 発表学会名
2010 IgA腎症を合併した皮膚筋炎の1例 小浦仕子、洲崎賢太郎、亀田智広、植村麻希子、土橋浩章、石田俊彦 第102回日本内科 学会四国地方会
脾破裂を契機に劇症型抗リン脂質抗体症候群が疑われた1例 木戸瑞江、洲崎賢太郎、亀田智広、土橋浩章、石田俊彦、野毛誠示、岡野圭一 第102回日本内科 学会四国地方会
2011 原因不明の血球貪食症候群を発症し、治療に難渋した1症例 大雲千晶、木津裕美、亀田智広,洲崎賢太郎,福本哲也,植村麻希子、土橋浩章、石田俊彦、滝宮総合病院内科:岸俊行 第104回日本内科 学会四国地方会
多発性軟部腫瘤にて発見された高IgE症候群の例 泉川美晴、亀田智広、洲崎賢太朗、中島崇作、島田裕美、竹内洋平、土橋浩章、石田俊彦 第104回日本内科 学会四国地方会
2012 難治性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)にRituximabが著効し た1例 松岡敬典、森本尚孝、吉田和矢、洲崎賢太郎、土橋浩章 第106回日本内科 学会四国地方会
精巣上体腫瘤生検で診断されたサルコイドーシスの1例 浅野雄大、土橋浩章、横倉繁行、高野耕志郎、洲崎賢太郎、中島崇作、檀上淳一、亀田智広、泉川美晴、松永卓也 第106回日本内科 学会四国地方会
肥厚性硬膜炎合併シェーグレン症候群の1例 脇谷理沙、土橋浩章、尾崎洋基、中島崇作、島田裕美、亀田智広、 洲崎賢太郎、泉川美晴、横山倫子、松永卓也 第107回日本内科 学会四国地方会
低髄圧症候群を合併した全身性エリテマトーデスの1例 尾崎洋基、土橋浩章、中島崇作、島田裕美、亀田智広、洲崎賢太郎、竹内洋平、泉川美晴、横山倫子、松永卓也 第107回日本内科 学会四国地方会
2013 研修医奨励賞受賞バセドウ病合併SLEにANCA関連血管炎を合併した1例 脇谷理沙、土橋浩章、尾崎洋基、中島崇作、島田裕美、泉川美晴、亀田智広、洲崎賢太郎、藤原真子、松永卓也 第108回日本内科 学会四国地方会
原発性クリオグロブリン血症の1例 工藤博雄、土橋浩章、尾崎洋基、高濱隆幸、中島崇作、島田裕美、泉川美晴、亀田智広、洲崎賢太郎、松永卓也 第108回日本内科 学会四国地方会
IgG4関連疾患の診断確定にFDG-PET/CTが有用であった一例 阿多亜里沙、土橋浩章、亀田智広、福長健作、尾崎洋基、泉川美晴、洲崎賢太郎、羽場礼次、松永卓也 第109回日本内科 学会四国地方会
2014 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療経過中に多発する腸管穿孔を来したサイトメガロウイルス腸炎の1例 宮井翔平、土橋浩章、尾崎洋基、洲崎賢太郎、島田裕美、亀田智広、竹内洋平、泉川美晴、中島崇作、松永卓也 第110回日本内科 学会四国地方会
研修医奨励賞受賞腎機能障害を合併したサルコイドーシスの1例 近藤 惇、脇谷理沙、尾崎洋基、島田裕美、中島崇作、竹内洋平、泉川美晴、亀田智広、洲崎賢太郎、土橋浩章 第111回日本内科 学会四国地方会
2015 研修医奨励賞受賞繰り返す発熱」から疑った家族性地中海熱の1例 川上翔平、土橋浩章、泉川美晴、脇谷理沙、尾崎洋基、島田裕美、中島崇作、竹内洋平、亀田智広、門脇則光 第112回日本内科 学会四国地方会

研修医奨励賞受賞:研修医奨励賞受賞

t_immunology005t_immunology006

平成27年度 初期研修医 11名
(4) 大学院生教育

個人の興味と考え方を重視し院生一人一人の考えを尊重し、研究テーマ、研究方法(実験手技)、論文作成、論文投稿先のレフリーからのコメントに対する対処方法に至るまでを指導しています。また、学位取得後も研究を継続できる体制を構築します。実験手技では4年間で細胞培養法や遺伝子・蛋白解析法、フローサイトメトリーなど基本的な実験手技を習得できるように指導します。また、国内・外の学会においてその成果を発表できる体制を整えています。これまで、過去5年間の国際学会(米国リウマチ学会;ACR/ARHP、欧州リウマチ学会;EULAR)10演題の発表をおこないました。

t_immunology007t_immunology008

(5) 後期研修教育

専門医研修にもマンツーマン体制に屋根瓦式を加味した指導体制を構築しています。このことは指導者のスキルアップにもつながっています。膠原病・リウマチ専門医を目指す医師および専門医には週一回の新患カンファレンスを中心とした専門診療指導に加え基礎・臨床研究、論文作成の指導を行い学位取得とリウマチ専門医取得を目指します。当施設での研修は豊富な症例数と連携施設のためリウマチ専門医取得は比較的容易であると自負しています。日本リウマチ学会総会を中心とした国内学会への演題発表はもちろんですが、国際学会での発表も重要視しています。過去10年で31題の発表を行っています。資格取得はもちろん重要ですが、常に高度先進医療推進とアカデミアを意識し現況への適応を目標に、カンファレンスの開催や各種学会への参加、国内留学を含めた人的交流を促しています。

また今後のリウマチ専門医取得に必須である新内科専門医制度への対応もすでに行っています。膠原病・リウマチ内科を中心とした後期研修に加えて他の診療科や学外連携施設との協力で速やかにかつスムースに内科専門医取得が行えるようなプログラムを作成しています。

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
総合内科専門医 1 1
リウマチ専門医 1 2 1
リウマチ指導医 1
総合内科専門医
  • 2011年:
  • 2012年:1
  • 2013年:
  • 2014年:1
  • 2015年:
リウマチ専門医
  • 2011年:
  • 2012年:
  • 2013年:1
  • 2014年:2
  • 2015年:1
リウマチ指導医
  • 2011年:
  • 2012年:1
  • 2013年:
  • 2014年:
  • 2015年:

t_immunology009